スペース寿司

とあるオタクの生活記録

無常

以下は家族の死に関する話になる。

 

入院中の父親について、病院側より「そろそろかもしれない」、という話があったらしい。
危篤だとかそういうことではなく、老衰的なもので近く亡くなるであろう、というようなことを病院から言われたとのことだ。
「明日かもしれない、一週間後かもしれない、一か月先かもしれない」らしい。
伝聞形なのはすべて母から聞いたことだからである。

老衰、とは明確には言われていないが、母から聞いた症状(食事をとれない、食欲がない、とろみ系やアイスキャンディー型の栄養食を摂取している)と、病院側の言葉のニュアンスを受けてそういうことなんじゃないかなと思っている。
そういう状態になると、亡くなるまでに平均1.9か月程度らしい。
ということはここ2~3か月が山場ということだろう。


こういった状態になり、とりあえず職場に報告を入れた。
クソのような職場ではあるが、上司は優しい(と思う)ので、
「いつでも実家に帰る支度をしておいて、すぐ帰れるように。電話もいつでも出られるようにしていて良い」
という対応をしてくれている。

すぐ帰れ、と思われるかもしれないが、都内に住んでいる私は面会すらできないそうだ。
それに帰れと言われても、貧乏非正規の私に何週間も仕事を空ける余裕などないので、とにかくギリまでは働かねばならない。
それこそ、有事の際のお金を稼ぐために。

現在私のできることはとても限られているが、ここにきて母のメンタルが大崩壊しており、私はますます冷静にならなくてはならない。
要はとても情緒不安定なのである。
電話をしていてもすぐキレる。
「お前は私たちに関心がないのだろう」と電話口で罵倒する。
捲し立てた直後に「なんとか言え!聞いてないんだろう!!」と癇癪を起して一方的に電話を切ってしまう。
どうやら私が仕事帰りに「外」で電話をかけてくるのも腹が立つらしく、「えらそうに忙しいフリをして上から目線で」と言われた。
別の意味で泣きたいのはこっちだがぐっと堪える。

昨日どうにか話をつけて、それでも電話口で泣く母の声を聞きながら虚無になっていた。
気持ちはわかるが、どんな言葉をかけていいかもわからない。
受け入れなければいけない現実は確実なものだし。
冷たい娘であると思われているんだろうが、こうなった以上、私はこういう性格でよかったなと思っているところもある。
離れて暮らしていたところもあるんだろう。

我が家は少し特殊で、親類縁者との付き合いも薄い。
そして主な連絡はすべて母が行っているため、それは危ういと思って、母が最も密に連絡を取っているであろう叔父の連絡先をようやく教えてもらった。

教えてもらうにも、「何を言うつもりなんだ!」と言われたので一体私はなんだと思われているんだろうか。

今日は台風で頭が重い。
できることはなんだろうかと思うが、せいぜい実家近辺の葬儀社の資料集めくらいである。

母に、手続き的な何かを聞くことが憚られる。
また「冷たい」だのなんだのとキレられるんじゃないかと思ってしまう。

かつて私がメンタルやらかして、過食嘔吐で苦しんでいるとき、
「かわいそうと思ってほしいんだろう」だとか、「病気のフリをしているんだろう」だとか言っていた母。
どうにか立ち直ったあと、「ほらな、私はいつお前が病気のフリに飽きるかと思っていた」と言ってきた母。
そんな母が「こっちのことなんかどうでもいいんだろう」と泣いているのは、なんていうか、無常って感じだ。

もうきっと忘れているんだろう。
やることはやらねばならないのだ。
私も私で物事を知らなさすぎる。それはよくない。

どうにか自分の生活はしながらでいきたい。
さすがに来月友人と計画してた旅行はキャンセルしたけど、細々好きな動画を見るくらいは許されるんだろうか。
こういうときどんな気持ちで過ごせばいいんだろうね?