スペース寿司

とあるオタクの生活記録

お金を払って自作を褒めてもらった話

タイトルそのままの話。
自作に自信が無いのは今に始まった話ではないが、ナーバスを拗らせ過ぎて
「読み返すと3行で『あああ』と奇声をあげたくなる」
くらいまで状況が悪化していた頃の話である。

では今はもうばっちり読み返せるかというと実はそうでもないので、オチは見えていると思う。
ただ、こういった「感想を買う」ことでポジティブな効果を残せる方もいるのではないかと、思い出を綴っておく。

 
とにかく自作が嫌いだった。
「自分の書いたものは駄目」という大前提が脳を支配しているので、全てが駄目に見えるのである。
駄目というか、非常に稚拙で恥ずかしいものを人様に読ませているという恐怖心や羞恥心といったほうが正しいのかもしれない。
自分で書いていてとんでもないバイアスだとは思うが、実際ドヘタクソかもしれない。
その可能性が無いとは言い切れない。
とにかく「自作が嫌いすぎて」+他人に評価を全振りする認知の歪みのせいで、冷静な判断ができないのである。

じゃあなんで書いてるんだというツッコミは今は控えてほしい。
それでもやっぱり書きたいので、という回答しかできない。

そんな時に出会ったのは
「あなたの作品を読んで感想をお渡しします」
というサービスである。
文字面だけだと大層怪しいが、某スキルマーケットにてこういったものが実際に売買されている。
金額は文字数や納品時期によって変動する。(〇千字まで1000円、文字数追加で+500円~1000円/納品を早めたいなら+〇円、などが多かった)
一次創作のみ、二次創作も可、漫画も可、R18やGも可など、人によって対応範囲が変わるので注意が必要だが、二次創作(R18)可能なサービスは割とあった。
ただ感想、と一口に言っても様々だとは思うが、そこはお金のかかったサービス。「甘め」「辛め」「校正含めて客観的に」など、出品者によって「どのような目線から作品を見るか」を設定してあったりする。

と言うわけで、感想をもらうことにした。
読んでもらったのは、同人誌に収録した作品である。
既に頒布済みで取り返しなどつかないのだが、私が最も苦手になってしまった自作がそれなのでとにかく「自分の中で」なんとかしたかった。
ここまで書いてて思うが、私はなぜこんなにも自分が無いのだろう。

依頼内容はこんな感じ。

・読んでもらう話の説明(ジャンルや文字数、構成など)
・とにかく自分の文章に自信を持てないので、読んでいて「いいな」と思った点を教えてほしい
・気になった部分は指摘してほしいが、今とても心が折れてるので厳しめの指摘は避けてほしい

要するに客観的ではあるけど優しい意見が欲しかった。 
うーん、この。
それでも快く引きうけてくださるのがありがたい。
作品の文字数や納品期間等を調整して(ここでベースの金額にオプション料金などが乗っかる場合がある)、最終的な金額が決定。
クレカなりなんなりで決済して、自作のデータを送ると作業に進んでもらえる。

待つこと一週間くらい。結果が来た。
こんな感じだった。(フェイク込み。文体はこちらで書き換えている)

【感想】
・描写が丁寧で、その場の状況がしっかりと伝わってきたところが良かった。
原作を知らないが、作品を通してAやBのキャラクターや二人の関係性も伝わってきた。
・Aの可愛さが微笑ましい。BがAを愛おしく思っていることも伝わってきた。
・(その他一部書いた話の筋に触れた感想)

【気になった点】
・特に大きな問題点や矛盾点などはなかった。
・内容も特に気になる部分は無いが、個人的にはもう少しR18シーンに至るまでにストーリーがあった方がより楽しく読めるかなとも思う。
・〇〇の話(複数の作品提出した中でのひとつ)はストーリー性があったので、一番よかった。ただ個人の好みの問題なので、参考程度に捉えてほしい。 

こんな感じのことが「非常に優しい文面で」送られてくる。
よいところを褒めるという点に特化しているので棘などは一切なく、上記のように「気になった点」においてもフォローが入る。ありがたいです。

安心した点
・状況描写は(おそらく)できている
・関係性も(おそらく)伝わっている
・Aが可愛いことも伝わっている(最推しがA)


痛感した点
「ストーリー性」の大事さ

 

「そもそも何を書きたいのか」「どういう状況なのか」は最低限伝わっているようなので安心した。
問題はストーリー性だよ。
ストーリー性ってつまり萌えや面白さの根源なんじゃないの?
つまり「状況は書けたとしても物語としてはいまいち面白くない(ものになる可能性が高い)」ってことなんじゃない?
たまに見かける淡々と描写が続いてするっと終わる単館上映の映画みたいなやつ。


二次創作という萌えを表現する作品においてストーリーを作れない(あまりネタがない、構成力もない)って最大の壁なのでは。
もはやストーリー性を鍛えることで私の抱えているコンプレックスはちょっと軽減するのではないかとすら思えてくる。

物語をつくろう。テーマを持とう。山場を持とう。
自分の中での「この話はこれ」っていうフックがあるだけでも変わるはず(自覚がある)。

やっぱりプロットだよな…プロットを組むって勉強をしたほうがいい。

以上。そんな気づきを得た、今回のサービス利用の感想でした。
大変お世話になりました。ありがとうございます。
ステマダイマもする気はないので利用したサービスや依頼を投げた方の名前を出すことはしないけど、気になる人は使ってみてもよいと思う。
この一回だけで自作への全ての懸念が払拭されたわけではないが、私もまた、心が折れかけた時や不安な時に利用する可能性が高い。

だってやっぱり感想嬉しいし。
ちょっとでも自分に対して楽になるのは楽しく書く一歩だと思うし。

あと校正サービスも実は別途使ったのだけど、本当に助かるので、誤字脱字や表記ゆれや矛盾点不安な人はオススメです。

雑に終わる。